尾瀬ガイド協会とは
尾瀬国立公園の自然保護と適正利用をはかりながら、環境教育とエコツーリズムを推進することを目的とする団体であり、その目的を遂行するために、認定ガイドの諸事業を行っている。
認定ガイドの概要
1.制度の目的
尾瀬国立公園において、利用者に安全で快適な、質の高い自然体験を提供するため、高いガイド技術と正確な救急法を備え、尾瀬と周辺地域の魅力を解説できる知識と能力を持ち、自然保護の原点ともいえる尾瀬において自然保護の精神や環境保全、適正利用への理解と啓発を行うことができるガイドを認定する。
2.ガイドの種類
★尾瀬自然ガイド
尾瀬でガイド活動する上で、必要な知識や技術を有し、尾瀬ガイド協会が定めた検定試験に合格したものを 「尾瀬自然ガイド」として認定しています。
➀ガイド対象区域と活動期間
■対象区域 /
尾瀬国立公園全域
※ただし、至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、田代山、帝釈山などの山岳地域および残雪期の温泉小屋~三条ノ滝(段吉新道を除く)および尾瀬沼南岸を除く。
■活動期間 /
尾瀬に通じる道路の開通日から閉鎖日。それ以外の期間は対象外とする(対象外の期間でも認定ガイドとしてガイドしなければガイドは可能)
②認定期間
認定の日から3年を経過した後の最初の3月31日までとし、認定期間内に所定の更新講習を受けることにより、3年間認定を更新できるものとする。
③尾瀬自然ガイドルールの遵守 (詳細は下記参照)
尾瀬自然ガイド認定者は、下記「尾瀬自然ガイドルール」を遵守して活動を行う。
(1) 利用者への啓発等
(2) ガイドレシオ
尾瀬自然ガイド1人あたりの催行人数は8名程度が望ましいが、15名までとする。
(3) 危険回避・事故対応
(4) ガイド料金等の明瞭化
(5) 苦情への対応
(6) 尾瀬の美化、自然保護への貢献
★尾瀬登山ガイド
尾瀬自然ガイドに認定された者で、至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳などの山岳エリアでのガイド活動に必要な登山技術などを有し、所定の講習を修了したものを 「尾瀬登山ガイド」として認定しています。
➀.ガイド対象区域と活動期間
■対象区域 /
尾瀬国立公園内の山岳部を含む全ての登山道
※ただし、廃道になっていたり、立ち入りが規制されている登山道を除く。また、立ち入りや入山規制等がある場合は、規制内容を遵守する。
■活動期間 /
尾瀬に通じる道路の開通日から閉鎖日までとするが、場所によって次のとおりとする。それ以外の期間は対象外とする(対象外の期間でも認定ガイドとしてガイドしなければガイドは可能)
(至仏山、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳) 7月1日から10月末日まで
(田代山) 山開きの日から10月末日まで
(帝釈山) オサバグサ祭りの初日から10月末日まで
②認定期間
認定の日から3年を経過した後の最初の3月31日までとし、認定期間内に所定の更新講習を受けることにより、3年間認定を更新できるものとする。
③尾瀬登山ガイドルールの遵守 (詳細は下記参照)
尾瀬登山ガイド認定者は、「尾瀬自然ガイドルール」に加え、下記「尾瀬登山ガイドルール」を遵守して活動を行う。
(1) ガイドレシオ
尾瀬登山ガイド1人あたりの催行人数は8名程度が望ましいが、12名までとする。ただし、これを超える場合はサブガイドを付けることで最大24名まで催行できるものとする(~1:12、~2:24)。なお、行動の際の1グループはガイドを含め13人以下とする。
(2) 登山届
(3) 自然への配慮・参加者の安全への配慮
3.認定期間
尾瀬認定ガイドとして認定する期間は、認定の日から3年を経過した後の最初の3月31日までとし、認定期間内に所定の更新講習、または各支部が開催する研修を認定期間内に3回以上受講し、かつ有効期間内の救急研修(日本赤十字社の救急法救急員またはそれと同等の講習)を修了することにより、3年間認定を更新できるものとする(但し、支部研修は6時間以上の研修をもって1回とする)。
なお、期間内に更新できなかった場合は、期限切れから3年間の間に更新講習を受ければ更新することができるが、期限切れから講習受講までの間は認定ガイドとして認定されないものとする。
4.認定方法等
■尾瀬自然ガイド
尾瀬自然ガイドの認定は、協会が定める受験基準を満たす者が、原則として協会が実施する検定(筆記・実地)を受検し、合格した者に対して行う。
なお、筆記試験においては、尾瀬ガイド協会作成のテキストを中心に全100 問(100 点)の試験を実施し、70%の正答率に満たない者は筆記試験を修了したこととしないものとする。また、実技試験においては参加者(1班9名以内)で尾瀬をリレーガイドし、その内容を検定員がチェックシートによりチェックし、その合計得点が80%に満たない者は修了したこととしないものとする。
■尾瀬登山ガイド
尾瀬登山ガイドの認定は、協会が定める受験基準を満たす者が、原則として協会が実施する検定(レスキュー・実地)を受検し、合格した者に対して行う。
なお、レスキュー検定は検定員による講習会形式で開催し、受講者を修了とみなす。また、実地検定においては参加者(5~6名程度)で燧ヶ岳等をリレーガイドし、その内容を検定員がチェックシートによりチェックし、その合計得点が80%に満たない者は修了したこととしないものとする。
また、受験資格を満たしている者のうち、(社)日本山岳ガイド協会が認定する登山ガイド以上の資格保有者については、書面による申請で認定する。
5.認定ガイドの扱い
・尾瀬認定ガイドとして認定された者は、尾瀬ガイド協会員として福島、群馬、新潟の各支部のいずれかに所属することとする。
・会員は、原則として3名以上で構成する団体に所属し、いずれかの支部に所属しなければならない。
・会員として会費を徴収する。会費は年 10,000 円とする。なお、尾瀬登山ガイド年会費は尾瀬自然ガイド年会費に含まれる。
・尾瀬認定ガイド制度の信用を失墜させるような言動が認められた場合、ならびに3年以上会費の滞納があった場合は、理事会で審議の上、処分するものとする。
6.尾瀬ガイドルール
尾瀬認定ガイドは、ガイド実施にあたって協会が定めた下記ルールを遵守するものとする。
「尾瀬自然ガイドルール」と「尾瀬登山ガイドルール」があります。
■尾瀬自然ガイドが遵守するルール : 尾瀬自然ガイドルール
■尾瀬登山ガイドが遵守するルール : 尾瀬自然ガイドルール + 尾瀬登山ガイドルール
[尾瀬自然ガイドルール]
(1) 利用者への啓発等
・ガイドを開始する前に、尾瀬における利用上の注意点などを説明する。
〈具体例〉湿原への踏み込み禁止、植物等採取の禁止、ごみ持ち帰り等
・当日のコース、主たるガイド内容(自然観察)等についてガイド開始前に説明して、
利用者に尾瀬利用の目的を明確化させ、尾瀬を通じた環境学習の効果を高める。
(2) ガイドレシオ
尾瀬自然ガイド1人あたりの催行人数は8名程度が望ましいが、15名までとする。
(3) 危険回避・事故対応
・ガイド事業者の責務として、賠償責任保険(傷害保険)に加入する。
・各団体における事故対応マニュアルを作成するとともに、内容に即したトレーニングを
年1回以上実施する。
(4) ガイド料金等の明瞭化
実施ガイドコース、料金を公表する。また、追加料金がある場合には、併せて公表する
とともに、ガイド開始前に利用者にその旨説明する。
(5) 苦情への対応
利用者からの苦情に対しては、丁寧に対応する。
(6) 尾瀬の美化、自然保護への貢献
・ガイド実施時にはできるかぎり清掃活動を行うこととする。
・ガイドは自然保護への協力を呼びかけることに協力する。
・ガイドは必要に応じて、自然保護活動に協力する。
[尾瀬登山ガイドルール]
(1) ガイドレシオ
尾瀬登山ガイドとして尾瀬国立公園内の山岳域をガイドする場合、
尾瀬登山ガイド1人あたりの催行人数は8名程度が望ましいが、
12名までとする。ただし、これを超える場合はサブガイドを付ける
ことで最大24名まで催行できるものとする。
なお、行動の際の1グループはガイドを含め13人以下とする。
(2) 登山届
山岳域をガイドする際は、必ず登山計画書を所管警察署や入山口の
投函場所へ提出すること。また所属するガイド事業者の事務局でも
行程や参加者の属性を把握しておくこと。
(3) 自然への配慮・参加者の安全への配慮
山岳域をガイドする際は、参加者に登山前にトイレを済ませるよう案内する
とともに、携帯用トイレを携帯すること。
登山道を歩く際は、参加者の安全に配慮するとともに、登山道や植生の保護に
配慮し、定められたルートを歩くこと。特に残雪上の歩行時は細心
7.その他
・認定制度は各個人の持つガイド資質が一定レベル以上であることを認定するものであり、認定されていない者が尾瀬をガイドできなくなるようなものではない。
・認定制度によってガイド料が一律になるのではなく、各ガイド、ガイド団体のガイド料はそれぞれの団体、個人がガイド内容等により独自に設定することとする。